2018年08月29日

夏の終わり

8月も終わりに近づき、降り注ぐ日差しは真夏とあまり変わりませんが、肌を撫でる風は少しだけ冷たくなってきました。

そよそよと吹く涼風にあたりながら、「毎年この時期は、もうすぐ終わってしまう夏休みを残念に思いながら宿題に追われていたなあ。」と、ふと子供の頃のことを思い出しました。

子供の頃はとにかく夏が大好きで、夏を追いやってしまう秋という季節があまり好きではありませんでした。

「ずっと夏が続けばいいのにな。」

なんて、毎日スイカを食べながら言っていた記憶があります。

 

さて、そんな夏の思い出がふとよみがえった日の午後、主人と吉田の火祭りに行ってきました。

吉田の火祭りといえば、夏の登山シーズンを締めくくる大きなお祭りです。

威勢のいい掛け声と共に、観客の間をすごい速さで走り抜ける御神輿。

金鳥居が立つ大通りに大きな松明たちが立ち並び、ゆらゆらと燃える様子。

その大通りの奥に高くそびえたつ富士山と、そこを登る人々が携えた灯りが連なる景色。

普段とは全く違う街の風景にすっかり魅せられて、カメラのシャッターを夢中で切りました。

 

 

そして、お祭りの興奮がまだ冷めやらぬ帰り道。

ふと川原に目をやると、そこには既にススキが生え、空には真ん丸なお月様がぽっかりと浮かんでいました。

「来月には、今日みたいな綺麗なお月様を二人で見ながら、お月見団子を食べてるんだよね。時の流れは早いねえ。」

隣を歩く主人が静かにつぶやきました。

夏が終わって、秋が来る。

そんな、子供の頃には受け入れがたかったことも今はなんだかとても嬉しく、楽しみに感じる。

それは私が大人になったからでしょうか。

「それなら、大人になるのもあんまり悪くないかもよ。」

なんて、思い出の中にいた子供の頃の自分に小さく囁きました。

 

 

「でも、二人でお団子15個も食べられるかな。」という問いに、「君なら大丈夫だよ。」と即答されてしまう「花より団子、ならぬ月より団子」な私なのでした。

どうやら、大人になっても食いしん坊なところは変わらないようです。

 

 

小野田